イラスト/文・黒山一郎
ルジャーンの衝撃から1年後?に書かれた記事のようです。
生駒へルジャーンを見に来た多数のトライアルファンとライダーはそのハイテクニックに驚かされたものだった。そして1年。私自身も必死でルジャーンのテクニックをマスターするべく頑張った。しかし、どれひとつ取っても完全には自分のモノにはなっていない現状では、これらのテクニックについて解説できない。解説はできないが、研究していることの中間発表ぐらいは皆さんに読んでいただきたい。そして皆さんの意見もどんどん聞かせてください。
下りについて研究する
ルジャーンに関してはとにかく最初に見て驚いたのがこの下りである。一言で言えば、「どこでも降りる」である。我々日本人ライダーは、ルジャーンを見るまでは、ジャンプをして着地する際、モトクロスは後輪から、トライアルは前輪から着地するものだと思い込み、とにかく前輪から飛び降りたものである・・・
ステアケースについて
我々日本人は山本の真直角を見た時「世界はこのテクニックを知っているのだろうか?」という疑問を持ったものである。結論を先に言うとルジャーンは知らなかった。がしかし、それにかわるそれ以上のテクニックを身に付けていたのである。日本人は後輪浮かしのテクニックは持っていたが、真直角には使っていなかったし、その浮かし方がまた違っていた。(中略)生駒の1メートルくらいの真直角ステアで山本がルジャーンを前にしてスパッ、スパッと音もなくアンダーガードをステアの角から20cmくらい離して登ったところ、ルジャーンは最初ビックリしたようであった。
そこでルジャーンも真直角テクニックをまねてトライをしていたが、なんと3回目で同じことをやってみせた。その後山本のマシンを借りて5~6回トライし、隣で見ていた父親と訳のわからないフランス語でマシンのステアリングのところを指差しながら話し合っていた。美人の通訳に、エディは何をゴチャゴチャ言っとるのか聞いてもらったところ
(1) 山本とルジャーンと後輪が浮く高さが違うのはマシンの重さにある。
(2) このテクニックは助走がほしくなる。
(3) 前輪を強く正面衝突に近く当てるのでフレームにクラック(ひび割れ)が入る。と言ってマシンのダウンチューブの上のステアリングヘッドあたりを指差した。
(4) 手首が痛い。
(5) ヨーロッパのライダーでこのやり方をするひとはまだいない。
とのことで、あまり真直角テクニックにはこの時は興味を示さなかった。しかし、後で聞いた話では、ベルギーに帰ってフレームを3台潰すくらい、真直角の練習をやったらしい。
さて、ここでルジャーンやり方だが、実は一年経過した今もよくわからないのが本音である。がしかし、こうではないのかと思うところを書いてみるので、これに関して違えば意見をしていただきたい・・・
その他の研究
下りと登り(ステア)についていろいろと研究してきたが、その他モロモロについて順不同で研究してみよう。●後輪ブレーキがメインブレーキ
日本人ライダーの全日本選手権でのトライ中の姿は雑誌で見られるが、フロントブレーキレバーとクラッチレバーに指(ひと差し指)かけているのがほとんどである・・・
●バックで足をつかないしマシンの尻を振る
今までのテクニックは我々がやる気がなくても自然と自分の気付かぬうちにやっていた気がしないでもなかったが・・・
●チェンジをセクション内で頻繁にする
RS360Tのエンジン特性にもよるだろうが、とにかく我々日本人ライダーより多くチェンジをしていた。それも、まあ・・・
●クラッチレバー握る指は頻繁にかえる
私もこの方法を5年ほど前からやっていたので、これだけは世界の仲間入りさせてもらえるのかもしれない。ルジャーン・・・
●グリップのないぬれた土での走り
40度ぐらいの登りで普通に走っているとき(ヌカヌカのぬれた赤土)急に後輪が土にはまって、マシンが(後輪が・・・
とまぁ、今となっては当たり前だったり、真似をしてはいけない?古いテクニックだったりしますが、30数年ぶりに読んだ割には真直角の部分とか結構覚えてて面白かったです。
ほなね~