2008年9月24日水曜日

家守綺譚(いえもりきたん)

今夏話題になっていた映画「西の魔女が死んだ」の原作者、梨木香歩さんの作品です。
何故に?と思われるでしょうが、舞台が明治中期の山科と言う事で興味を持った訳です。


主人公は、新米物書きの綿貫征四郎。学生時代の親友高堂はボート部に所属しており、山一つ越えた湖でボートを漕いでいる最中に行方不明になった。
その高堂の実家が、湖と疏水で繋がっている山科の安朱辺りに有り、縁有って征四郎が家守をすることになる。
風雨の強い夜、布団を頭からかぶり寝ていると、床の間の掛け軸から突然高堂が出てくる。

──どうした高堂。
私は思わず声をかけた。
──逝ってしまったのではなかったのか。
──なに、雨に紛れて漕いできたのだ。

おいおい、もっと驚けよ!って話ですが、物語は淡々と進みます。そう!ファンタジーです。
四季折々の植物とそれにからむ河童に小鬼、人魚や天女。そんな馬鹿なと、本を閉じても良いんですが、訳が分からない儘なかなかに面白く最後まで読んでしまいました。


ダァリヤの章で、ゴローの帰還を祝い肉を買いに行った征四郎を、犬のゴローが尻尾を振りながら待っていた高架下です。
この道を真っ直ぐに上った所に、庭つき池つき電燈つき二階家が・・・


二階家を過ぎ、この橋を渡ると和尚の居る山寺へ・・・

毘沙門、小関峠、牛尾山。舞台は確かに山科なんですが、すべてはファンタジー。
征四郎が郵便を出しに行く駅は、蹴上に発電所が出来た頃にはこの地には無く、当然ゴローが待ってた高架も無かったのです。
と、その様な左脳的な考えは邪魔なのだと分かっているのですが、ついつい私はその様な事に気を取られてしまいます。
作者がこの不可思議な話で何を語りたいのか、私には理解する能力が有りません。ただただ、作者の発想とそれを表現する教養に、ここ数日ぼーっと感心するばかりです。


5 件のコメント:

nananeco769 さんのコメント...

2008/9/24  21:48
先日仕事で図書館に行って、自分の町の歴史本がガラスケースに開いて展示されてたのを思い出しました。空いた時間に見てたら、我が社の先祖様の名がありました。今の場所と同じです。後で見てみようと思いましたが、図書館に行く事の無い私は忘れてしまいそうです(笑)子供の頃の様子と街も山の道も随分変わりました。

http://blogs.yahoo.co.jp/nananeco769

buratto28go さんのコメント...

2008/9/24  22:36
この間私の田舎を、国土地理院の地図と辺りの事を書いたページを検索して見てたんですが、私のイメージとは違う場所になってました。
山のてっぺんを整備したりしているんですが・・・
それなら、トライアル場にした方が人が来るんじゃないかな?と、思った次第です。

ゆおりん17go。 さんのコメント...

2008/9/25  6:10
はいはい、図書館の分館に予約を申し込みました。在庫があるようです。最近老眼が進んで痔を負うのがきついのですが・・・。ちゃいまんがな!字を追うのがきついのですが。。。。

シェル さんのコメント...

2008/9/26  20:50
はじめまして、その昔トンガリ山という山がありまして、モヒカンの形をした山がいくつもあったり地面に大きな裂け目があったりして、バイクで走るのに楽しいところでした。懐かしく思いその場所を尋ねてみたのですが、見当たりませんでした。地名は確かに残っていたのですが・・・・・。トンガリ山の星といわれた人もいましたね。
buratto28goさん、すごく山の中をご存知ですね。一度、山へ散歩される時、連れて行ってくださいね。最近ミーティングが無いようですが、BBSで公開して下されば、チェックしてますので、よろしくお願いします。

buratto28go さんのコメント...

2008/9/26  21:46
初めまして、懐かしい場所ですね。私も何度か行った事があります。今では新しい道路が出来て住宅街になったようで、場所を特定するのは困難かもしれませんねー。
最近は走れる場所が無くなってきて、私自身もあまりと言うかほとんど走ってないんですよ。バイクがフロント14丁のTLRと言う事も有りますし、膝が痛かったり肘が痛かったりで、近所の散歩程度なんです。
これ以上書くと愚痴になりそうなので、これ以上は書きますまい。じゃ、また。